一口食べて、いつもと味が違う?と思ったらよく食べ物を観察してみましょう。
カビは、その成長過程で食材の味を変えてしまいます。
もしかしたら、カビが生えた食品を食べてしまったのではないでしょうか?
今回は、カビを食べてしまったときの対処法を、カビの種類と健康被害と合わせて調べてみました!
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あーいちごっておいしいなー。
特にちょっと傷み始めて柔らかいやつ。これが甘くておいしいんだよねー^^
パクパクパク
パクパクパク
・・・ん?
!
やばい、カビ生えてる!
やっば! 思いっきりカビ食べちゃった! どうしよう!
老師ー!
・・・なに?
いちごにカビ生えたやつ食べちゃった!どうしよう!
カビ? お腹は壊してないの?
うん。まだ食べたばっかりだし。
じゃあ放置でも大丈夫だと思うけど。
え?本当に? 大丈夫なの?
うん。オッケー。じゃあその理由を説明するよ。
ってことで今回はカビを食べてしまったときの対処法を解説します!
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カビを食べてしまったら病院に行くべきか?
パンやヨーグルトに生えているカビを過って食べてしまったといって、早急に病院に駆け込む必要はありません。
少量のカビは胃酸でほとんど死滅します!
人間の胃液の分解能力は強力なのです。
嘔吐や下痢など、急性の症状を催すカビ毒は穀物など加工品の原料に使用されることで影響を催します。
日本では、現在加工品に使用される原料のカビ基準値が設定されています。
過去数十年に、カビによる食中毒(急性胃腸炎)を起こした事例はありません。
ただしカビが生えている食材は劣化しているため、カビ以外の細菌が繁殖している可能性があります。
もし、食後に嘔吐、下痢、発汗、発熱などの症状を感じたらカビ毒以外の細菌やウイルスが原因の食中毒が疑われます。
脱水症状を起こさないように水分を補給して、医療機関に相談しましょう。
実際、日本に見られるカビ毒の多くには急性の中毒がありません。
急性毒性が無い場合でも、微量を長期間食べ続ける事による慢性毒性をもつカビ毒があります。
慢性毒性のカビ毒は肝臓、腎臓、肺、神経系、内分泌系、免疫系に対して、発がん性、変異原性、催奇性、エストロゲン様作用などの毒性を示します。
発がん性があるので長い目で見ると健康のためには少量でも食べない方がいいです。
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カビを食べてしまったときの対処法
現在の日本では急性食中毒を発症させるカビ毒は少なく、あっても重症な症状をもたらすものではありません。
菌類であるカビは胃酸でほとんど死滅します。
したがってカビは余程大量に摂取しない限り中毒症状は起こりません。
カビだらけのものを故意に、大量に食べることはありませんよね。
気付かずに一口、二口食べてしまっても大丈夫ですよ!
カビ毒に対する治療は、基本的に対処療法になります。
嘔吐、下痢などの症状が見られた場合は体内毒の排出を促すために水分補給を行います。
ニンニクやアブラナ科の野菜(大根、キャベツ、ブロッコリー、白菜など)には、解毒作用があります。
体内の有害物質の排出を即するこれらの食材を取り入れながら毒素を排出しましょう。
また、医療機関でのカビ毒の排出には、活性炭が利用される場合があります。
活性炭は消化器官を通過しながら、体内にある有害物質を吸収します。
活性炭そのものは体に吸収される事無く体外に排出されるので、妊婦や虚弱体質の人にも有効です。
薬局での取り扱いもあり、処方箋なしで購入できるので、活性炭を服用して毒素の排出を促してもいいでしょう。
カビが生えているものは食べないで!
少量のカビを食べても急に食中毒になったりするなどの問題はありません。
しかし発がん性があるため、長期的に摂取することで健康的な被害を被る可能性があります。
またカビの部分だけ削って食べれば大丈夫という考えがあり、昔からもちにカビが生えてもその部分を削れば食べれると信じられてきました。
しかし今では「カビの生えた餅は食べてはいけない」と言われています。
なぜかというと、カビの生えた食品は目に見えなくても菌が糸を貼っていて一見カビが生えてない部分にも菌糸が広がってるから食べちゃダメなのです。
こちら農林水産省ホームページから拝借した画像です。
写真1 かびが生えた切り餅
写真2 写真1の赤枠付近をかびの菌糸が青く見えるように染色して顕微鏡で観察したもの(中央部の糸くず状に見えるのが、かびの菌糸)
画像引用元:http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/kabidoku/mochi.html
目に見えない部分にもカビの菌糸がどれだけ広がってるかがわかります。
昔から日本ではこれを食べていいと言われて食べてたと考えると恐ろしいですね。
短期的には食べても中毒症状がないので昔は食べても安全だと思われてきました。
でも長期的に見てカビ毒には発がん性があるので甘く見てはいけません。
餅以外にも一部でもカビが生えてるものは食べないようにしましょう。
またカビの生えているものは古かったり、保存状態が悪いものですね。
カビの他にも食中毒を起こす細菌が増殖している可能性があります。
また、マイコトキシンと呼ばれる、カビの二次代謝産物として生産される一部の毒は、洗浄や熱で除去できません。
また加熱すれば菌は死ぬという考えもありますが、残念ながら通常の調理方法でカビ毒を殺すことはできません。
なぜなら加熱処理をすれば細菌やカビ自体は除去できますが、カビ毒は残ったままになる可能性が高いからです。
カビ毒は熱ではあまり分解できず、たとえば100℃で60分茹でても50~80%残り、200℃を超える油で揚げてもほとんど減らないと言われています。
カビが生えてしまった食材は処分しましょう。
また体質によりカビに対して敏感な人もいます。
少量のカビでもアレルギー反応がでたり、倦怠感が出る場合があります。
カビに対して敏感だと感じる場合はアルコール飲料、小麦製品全般、ライ麦、ピーナッツ、トウモロコシ、サトウキビ、テンサイ、ハードチーズなどは避けましょう。
ものによってはカビの部分だけ削って食べてもOK
ただすべての食べ物がカビが生えたら食べれないわけではありません。
たとえば一番いい例がパイナップルです。
パイナップルが傷んでくるとまず皮の表面からカビが生えてきます。
私はパイナップルをスーパーで買ってきてその翌日に食べようとしたときにはすでに皮が白カビだらけになってました。
さすがに捨てるのはもったいないと思って調べたら皮にカビが生えてるだけなら余裕で食べれるという情報を見つけて食べましたが、問題なく食べれました。
基本的に皮が硬い食べ物の皮にカビが生えてる場合は中までカビが到達しないことが多いので食べれます。
例として、
- パイナップル
- かぼちゃ
- スイカ
食品別カビ毒一覧表
現在日本で基準値が設置されている食品を汚染するカビ毒の一覧表です。
カビの名前 | 食品 | 健康被害 |
---|---|---|
アフラトキシン類 | 穀類、落花生、ナッツ類、とうもろこし、乾燥果実、牛乳 | 長期毒性として強い発がん性 |
トリコテセン類 | 農作物、特に麦類や豆類 | 急性食中毒 |
パツリン | りんご果汁 | 短期毒性として消化管の充血、出血、潰瘍 長期毒性として体重増加抑制 |
オクラトキシンA | 穀類、豆類、乾燥果実、飲料などいろいろな食品 | 長期毒性として腎障害 |
ゼアラレノン | 家畜用飼料 | 飼料を給餌されたブタが生殖障害を発症 |
フモニシン類 | 穀類やとうもろこしなどの農作物 | 家畜への影響:馬の白質脳症・ブタの肺水腫など とうもろこし加工品を主食の地域:新生児の神経管への催奇形性を示す。 動物実験では肝臓や腎臓に発がん性が認められた。 |
ステリグマトシスチン | 穀類 | 長期毒性として発がん性 |
特に「アフラトキシン」は天然物質の中でもっとも発がん性が強く、世界でも農作物への汚染被害が出ており、注意が必要なカビと言われています。
そのため、日本では食品衛生法でアフラトキシンの含有量を厳しく制限しています。
しかし食品の多くを輸入に頼ってる日本ではたびたび「アフラトキシン」が基準値を超えて検出される事例が起きています。
そのため輸入食品に対しては特に検査を厳しくしています。
カビのまめ知識
カビは約3万の種類があると言われています。
全てのカビが有毒というわけではありません。
カビの胞子は空気中に漂っており、漂着したカビは酸素があれば、ある程度乾燥した場所でも育ちます。
カビは5℃くらいから発生できるので、冷蔵庫に入れておいても生えてきます。
1gの小麦粉にはおよそ10個から1000個、冷凍食品にもおよそ10個から100個ほどのカビが在住しています。
土壌にいるカビが野菜の茎や実に入り込んで生きている場合もあります。
カビの育ちやすい温度は20~30℃、湿度は80%です。
特に日本の夏場はカビの育ちやすい環境ですね!
カビは食品の味や匂いを変化させるだけでなく、腐敗の進行も早めます。
カビはすぐに胞子や菌糸を増殖させます。
風にのって胞子を飛ばしたり、隣接した食材に菌糸を延ばしたりするので、カビの生えた食材は迅速に処分するようにしましょう!
カビは健康食品に使われている!
カビは菌類の一つです。
醤油や味噌を発酵させる酵母も、真菌類です。
カビは食品にも使われていて食べても安全なカビもあるんですね。
カビが使われている代表的な食品として、醤油や味噌以外にも鰹節や納豆、漬け物など、結構身近にあるんです!
他にも、チーズ、ヨーグルト、ワインなど、無害なカビを利用して製造した食品は多くあります。
また食品だけでなく、抗生物質のペニシリンの生成にも青カビが使われています。
カビ=汚い、食べてはいけないもの、と思いがちですね。
でも有益なカビは抗生物質や発酵食品を作る際に利用されるなど、役立っています!
まとめ
カビを間違えて食べてしまうと、気分が悪いですね。
カビそのものの味というより、カビによって変化した食材の味で思わず嘔吐いてしまいますね。
しかし、少量のカビでは直ちに悪影響はありません。
長期間にわたって毎日食べていたり、大量のカビを一度に食べてしまっていなければ、心配ありません。
元々消化不良気味であったりお腹の調子が気になる場合は、生姜や梅干しなどの殺菌能力の高いものを食べてみるのもいいですよ!
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