ヒメマルカツオブシムシは毎年4~6月に活発に活動し、衣類を食べる害虫です。
そんなヒメマルカツオブシムシですが、一度発生すると繁殖力が高いので大量に発生してしまうことがあります。
この記事では大量発生したヒメマルカツオブシムシはどうやって駆除すればいいのか、また来年また発生するのを予防するにはどう対策すればいいのかについて解説します。
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やばい! なんかキモイ虫がいる!
どこに?
布団に!
どれどれ・・・おっとこれは・・・布団食べる虫だね。
えー! マジで? 布団食べられちゃうの?
うん。ヒメマルカツオブシムシっていうんだけど。こいつ布団とか服とか食べるよ。
マジか! じゃあ早く退治しないとヤバいってことだよね?
そういうこと。
でもどうやって駆除すればいいの?
まぁそーくるよね。
ってことで今回は部屋に大量発生したヒメマルカツオブシムシを駆除する方法を解説します。
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ヒメマルカツオブシムシの生態は?
出典:http://www.ha.shotoku.ac.jp/~kawa/KYO/SEIBUTSU/DOUBUTSU/09kochu/katsuo/himemaru/index.html
敵を知らずンば100戦危うからず。
まずヒメマルカツオブシムシの生態を知っておきましょう。
ちなみにヒメマルカツオブシムシは衣類害虫「カツオブシムシ」の一種です。
特徴
ヒメマルカツオブシムシの成虫の体は楕円形で色は黒に白い模様、または白褐色に黄色い模様があり、体長は2~3mm程度です。
日本全国に分布しています。
幼虫は全身に毛が生えていて毛虫の幼虫のような見た目です。
幼虫は体長が4mmほどと成虫より大きいです。
見た目は完全に幼虫の方が気持ち悪く、女性なら悲鳴を上げてしまうようなきもい姿をしています。
また1匹の成虫が30~50個の卵を産むため、繁殖力がすごいのも特徴の1つです。
名前の由来は?
ヒメマルカツオブシムシの名前の由来はその名の通りカツオプシに発生したためにつけられました。
ちなみにヒメは小さいから、マルは丸っこいから頭にヒメマルをつけられてヒメマルカツオブシムシになったと思われます。
餌
ヒメマルカツオブシムシは衣料害虫と呼ばれ
- 洋服
- 布製の絨毯
- 羽毛
- ホコリ
- 食べこぼし
- 髪の毛
- 乾燥食品
- 乾燥動物標本
- 毛織物
などを食べます。
タンスの中の衣類にいつの間にか穴が開いていたら高確率でヒメマルカツオブシムシの仕業です。
その他鰹節や麺類などの乾物やペットフードなども食べます。
ちなみに繊維を食べるのは幼虫のみなので、成虫なら被害はありません。
成虫の餌は花粉や花の蜜で、特に白い花「マーガレット」などが好物です。
またヒメマルカツオブシムシの成虫には走光性が加わります。
なので成虫になったヒメマルカツオブシムシは外に出ようとして、カーテンなどに集まりやすいです。
ちなみに成虫の寿命は30~50日程度です。
しかしヒメマルカツオブシムシは幼虫期間が300日くらいで成虫期間が30~45日程度なので、幼虫による被害が大きいです。
洋服の食害のほとんどはヒメマルカツオブシムシの幼虫が犯人であると言われています。
発生源
ヒメマルカツオブシムシは4~6月に成虫が活発に飛び回ります。
このときベランダに干している洗濯物や布団についたり、歩いてる人の服にくっついたまま家の中に入り込んでしまうことがあります。
いったんヒメマルカツオブシムシの成虫が家の中に入ると、産卵して繁殖してしまいます。
特にタンスの中に卵を産み付けられるとヤバイです。
だからタンスには防虫剤が必要なんですね。
生息場所
ヒメカツオブシムシは日本全国どこにでもいます。
幼虫は暗いところが好きなので戸棚の中やタンスやベッドの下、狭い隙間などに潜んでることが多いです。
逆に成虫は明るいところが好きなのでカーテンや窓付近に多いです。
発生時期
ヒメマルカツオブシムシは基本3~11月に発生します。
暖かい部屋なら年中います。
幼虫は春3~4月頃蛹になり、そこから20~30日後に羽化して成虫になります。
そのため、成虫は4~6月に活発に活動します。
またヒメマルカツオブシムシは幼虫期間が長く、約300日間幼虫のまま成長します。
基本4月ごろに卵を産み、卵は2~3週間で孵化して幼虫となり、そのまま翌年の3月頃にサナギとなり、4月ごろに成虫になるというサイクルです。
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ヒメマルカツオブシムシと似ているヒメカツオブシ
出典:http://blog.livedoor.jp/sankyoremake/archives/cat_1239222.html
ヒメマルカツオブシムシとほぼ生態は一緒だけど見た目だけ違う、ヒメカツオブシという虫もいます。
生態はほとんど同じですが、違ってる部分だけ書いておきます。
ヒメカツオブシムシの特徴
ヒメマルカツオブシムシの成虫の見た目はテントウ虫を少し縦長にしたような見た目で色は黒く、体長は3~5mm程度です。
幼虫は体長が9mmほどと成虫より大きく、茶色い芋虫でくねくね動いて気持ち悪いです。
また1匹の成虫が30~50個の卵を産むため、繁殖力がすごいです。
餌
ヒメカツオブシムシは衣料害虫と呼ばれ、洋服や布製の絨毯、羽毛、ホコリなどを食べます。
ヒメカツオブシムシは主に動物性の繊維を食べるので、ウールやシルク、カシミヤ製品が狙われます。
ただし植物性のポリエステルなどの化学繊維でも、汗がついてたり、食べこぼしがついてれば食べます。
ちなみに繊維を食べるのは幼虫のみなので、成虫なら被害がないこともヒメマルカツオブシムシと同じです。
見た目と餌が若干違う以外はまったく一緒です。
ヒメマルカツオブシムシもヒメカツオブシムシも生態はほぼ同じなので駆除方法は同じです。
ヒメマルカツオブシムシは成虫を見たら手遅れ?!
ヒメマルカツオブシムシの厄介なところは成虫になってすぐに卵を産むことです。
ヒメマルカツオブシムシは成虫化してから10日以内に一生で産めるうちの80%の卵を産むという性質があります。
そして卵を産んだ後は花の蜜を求めて外に出て行きます。
そのため、成虫を見たときにはすでに産卵済みである可能性が高いです。
そのとき卵は1匹が30~50個産むので成虫の数x 30~50匹の幼虫が生まれてきます。
成虫が何匹も入れは生まれてくる幼虫の数は恐ろしいことになります。
どんだけ繁殖力に特化しているんでしょうね(笑)
このヒメマルカツオブシムシの産卵の時期ですが、4月~5月くらいです。
なのでヒメマルカツオブシムシの繁殖を予防するには、この産卵が始まる前である2~3月頃に徹底して幼虫を潰しておくことが非常に重要となります。
ヒメマルカツオブシムシにバルサンは効き目が薄い
バルサンなどのくん煙剤はヒメマルカツオブシムシに対しては効果が薄いです。
なぜならまず卵には効きません。
そして幼虫や成虫にも絨毯の繊維の奥などに隠れられてしまうと効きません。
また、成長して大きくなった幼虫はバルサンに対する耐性があり、薬剤が効きにくいです。
そのため、ヒメマルカツオブシムシ完全駆除するのは限りなく難しい厄介な虫なのです。
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ヒメマルカツオブシムシが大量発生した場合の駆除方法
前置きが長くなりましたが、いよいよ本題であるヒメマルカツオブシムシが大量発生した場合の駆除の方法を解説します。
1. 衣服についた幼虫を駆除する
まずは幼虫がどこにたくさんいるかを探します。
餌である衣類、布団、カーペットなどが一番可能性が高いですが、ホコリも食べるのでいろんな場所にいます。
その中でもまず衣類についたヒメマルカツオブシムシは一番簡単に駆除できます。
洗濯すれば死ぬので。
というわけでまず衣服はすべて洗うのがベストです。
しかしクローゼットにしまってる衣類を含めて、全てを洗濯するのは無理でしょう。
そこで、便利なのが除虫菊エアゾールです。
これは天然ハーブである防虫菊を使ってるので衣類だろうが食品だろうが布団だろうが気兼ねなくスプレーを使用できます。
なので除虫菊エアゾールをクローゼットの中に直接噴霧してしまえば駆除は簡単です。
除虫菊エアゾールは天然成分な割に即効性があるのでスプレーすればすぐにいなくなります。
また、残留効果があり、防虫効果は約1ヶ月持続します。
除虫菊エアゾール
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2. クローゼット·タンス·押入れなどに防虫剤を入れる
次にヒメマルカツオブシムシの再度の侵入を防ぐため、クローゼットやタンス、押入れに防虫剤を入れます。
防虫剤はいろんな種類がありますが、エンペントリン入りが持続性があり、無臭でかつ効きます。
「タンスにゴン」や「ムシューダ」がオススメです。
1で駆除したあと防虫剤で入ってこれなくすることで餌を食べれなくなったヒメマルカツオブシムシを餓死させます。
ただしヒメマルカツオブシムシは絶食でも半年以上生きれるので長期戦になります。
「タンスにゴン」や「ムシューダ」の持続期間は半年~1年くらいなので時期が来たら取り替えるようにしてください。
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3. カーペットや畳は掃除機よりくるくるが有効
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次にヒメマルカツオブシムシが住み着いてしまっているであろうカーペットや畳を処理します。
畳なら掃除機でいいですが、絨毯なら掃除機よりくるくるが有効です。
繊維に絡みついたヒメマルカツオブシムシの幼蚶掃除機で吸い取れないからです。
くるくるだけでヒメマルカツオブシムシの完全駆除はできませんが、これを1週間に1度は行えばかなりの量を減らすことができます。
特に幼虫が成虫になり卵を産む手前の時期である2~3月に重点的に行うといいでしょう。
4. 本気で完全駆除したいならスチームクリーナーで熱処理
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ヒメマルカツオブシムシを卵も含めて速攻で完全駆除したいのであれば、方法は1つ。
スチームクリーナーでの熱処理します。
部屋の隅々までスチームクリーナーを数秒ずつ当てます。
スチームクリーナーの表面温度は80~100℃になりますが、ヒメマルカツオブシムシを含むほぼ全ての昆虫は熱に弱く65℃で即死するので数秒当てれば死にます。
ヒメマルカツオブシムシが生息していそうな場所を徹底して潰しましょう。
カーペット、畳、衣類、押入れ、クローゼットやタンスの中、その他ホコリがあるところなどを重点的に攻めましょう。
スチームクリーナーは安いもので5000円程度で買えます。
ただし、スチームクリーナーはあまり当てすぎると絨毯や衣類が焦げてしまいます。
スチームクリーナーがない場合はスチームアイロンでも代用できます。
また基本的にはスチームクリーナーを使わなくても上記3つの方法で十分です。
スチームクリーナーはヒメマルカツオブシムシが気持ち悪くてしょうがないから今すぐに全滅させたい、という人にオススメします。
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ヒメマルカツオブシムシの大量発生を防ぐ予防対策
ヒメマルカツオブシムシは成虫が卵をたくさん産み付けることで大量発生します。
成虫だけなら特に衣類を食べられることもないので被害はありません。
問題は幼虫が大量発生したときです。
そしてこの幼虫の発生は予期できます。
- 成虫を見つけた
- すでに大量の卵を産み付けられている
- 2~3週間後には幼虫が大量発生する可能性大
↓
↓
ということです。
また、成虫が1、2匹洗濯物に紛れ込んで入ってきた程度であれば、その年はまだそんなに被害はないかもしれません。
成虫1、2匹なら産める卵の数は限られてるからです。
といっても100個くらいにはなりますが…。
問題はその卵から生まれた100匹の幼虫が成虫となり、全員が30~50個の卵を産んでそれが幼虫となる来年…恐ろしいことになります(笑)
全部が幼虫になると3000~5000匹ですからね。
つまり
- 成虫を1、2匹見つけたその年には50~100匹程度の幼虫が現れる
- その幼虫を駆除しなかった場合、来年3000~5000匹の幼虫が大量発生する
↓
ということになります。
なので成虫を見つけたらすぐに対策を取りましょう。
ヒメマルカツオブシムシを見つけたらやること
1. 成虫は見つけたら殺す
ヒメマルカツオブシムシは成虫は基本害はないし、勝手に出て行くので放っておいても大丈夫といえば大丈夫です。
ですが卵を産み付ける可能性があるので見つけたら殺しましょう。
すでに産卵済みの可能性が高いですが、これ以上卵を増やさせないためにも。
ヒメマルカツオブシムシの成虫は潰せば簡単に殺せますが、苦手な人は市販の殺虫剤を使いましょう。
2. 成虫を見つけたらすぐにクローゼットやタンスの中に防虫剤を入れる
成虫を見つけたということは卵があるということ。
その卵から孵った幼虫は衣類を食べるので事前にクローゼットやタンスに防虫剤を入れることで服や布団を守りましょう。
すでに入れてある場合は有効期限を確認しましょう。
3. 部屋を徹底的に掃除しておく
ヒメマルカツオプシムシの幼虫は衣類だけでなくホコリも食べます。
餌になるホコリがたくさんあると成長してしまうので徹底的に掃除して部屋からホコリをなくしましょう。
また食べ物のカスや髪の毛も餌になるので絨毯には念入りに掃除機をかけておきましょう。
4. 成虫を見かけて1ヶ月後にくるくる
成虫を見つけたから1ヶ月後は幼虫が全て生まれている頃です。
このタイミングで一度くるくるをカーペット全体にかけましょう。
そしてヒメマルカツオプシムシの幼虫が取れるか確認します。
もしいたとしてもクローゼットやタンスは防虫剤設置済みなので問題となるのはカーペットやホコリのある場所です。
掃除とくるくるを何度もやっていれば幼虫の数は減らせます。
また、絨毯にもくるくるをやったあと除虫菊エアゾールを撒いておくといいでしょう。
5. 掃除とくるくるを繰り返す
その後は1週間おきでも2週間おきでもいいので掃除とくるくるを繰り返します。
くるくるにヒメマルカツオプシムシの幼虫がつかなくなればほぼ退治できたと考えていいでしょう。
6. 幼虫が成虫になる時期に改めて対策する
最後にヒメマルカツオブシムシの幼虫が成虫になる時期である2~3月に再度対策を行います。
すでに駆除できたと思っても生き残りがいるかもしれないのでダメ押しで絶対やった方がいいです。
やることは同じで
- 掃除
- くるくる
- 防虫剤設置
↓
↓
です。
これでヒメマルカツオブシムシの活動が活発になる4~6月頃に成虫を見かけなければ駆除は成功したと考えていいでしょう。
注意:洗濯はマメに
ヒメマルカツオプシムシの幼虫が室内に存在している可能性があるときは洗濯をマメに行うことを意識しましょう。
汗のついた衣類をそのまま置いておくとヒメマルカツオブシムシの格好の餌になってしまうからです。
ただ、一人暮らしの人は洗濯は3日に1度くらいの人が多いと思いますが、それだと汗のついた衣類を放置することになります。
しかし一人暮らしで毎日洗濯するのは負担が大きいですよね。
その場合、脱いだ服を入れておく場所に防虫剤を設置するといいでしょう。
ただし、洗ってない衣類をタンスなどの収納ケースに入れてしまうのだけはやめましょう。
わざわざヒメマルカツオブシムシをおびき寄せているようなものですからね。
まとめ
以上、ヒメマルカツオブシムシが大量発生したときに駆除する方法について解説してきました。
ヒメマルカツオブシムシは繁殖力と生命力が高いので一度住み着くと非常に厄介な虫です。
しかしその習性を利用してうまく対策すれば完全駆除とはいかないまでも、ほぼ退治することはできます。
この記事を参考に頑張って駆除してくださいね。
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