ヤバい!電池が液漏れしてる!!
老師ー!
なに?
電池が液漏れしてるんだけど・・・。
マジで?触った?
触った。なんかヌルヌルするー。
早く洗ってきなさい。
え?触るとやばかったりする?
うん。
マジ!?洗ってくる!
はい、というわけで今回は電池の液漏れについて解説します!
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電池の液漏れは触ると危険なのか!?
電池から漏れた液は果たして危険なのか。
結論を先に言うと
危険です!
- 肌に触れれば化学やけど(=化学物質によるやけど)
- 口に入れば激しい頭痛や嘔吐
- 目に入れば失明
の恐れがあります。
実際に1歳の子供がおもちゃで遊んでる歳に誤っておもちゃから電池を出してしまい、その電池がたまたま液漏れしてたことで皮膚移植が必要なほど重症のやけどを負った事例があります。
参考:国民生活センター 玩具の電池が液漏れし、幼児が化学やけど
またさらに危険なのが小さな子供が電池を飲み込んだ場合です。
最悪潰瘍や胃や腸などの消化器官に穴が空く危険があり、非常に危険です。
この場合は救急車を呼んでいいのですぐに緊急病院に連れて行ってください。
ではもし電池から漏れた液体に触ってしまったときはどうすればいいのか説明します。
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電池の液漏れに触ってしまったときの対処法
もし電池の液漏れに触ってしまった人はすぐに大量の水で洗い流してください。
すぐに洗い流せば後遺症は残りませんが、少し放置すると化学やけどの跡が残る可能性があります。
目に入った場合もすぐに大量の水で洗い流しましょう。
洗面器などに水を入れて顔を付けて目をパチパチするといいです。
その際、目をこすると傷がつく可能性があるのでこすらずに洗い流すようにしてください。
基本すぐに処理すれば問題ありませんが、目や口に入った場合は念のため医療機関を受診することをおすすめします。
服や布に付いた場合
服や布に付いた場合はその部分を水で洗い流し、その後普通に洗濯しましょう。
水に溶ける物質なので洗えば問題なくまた使えます。捨てなくても大丈夫です。
ただし、衣類の素材によっては劣化や変色が起こります。
家具や床に付いた場合
家具や床に付いた場合は水で濡らした布巾で拭き取りましょう。
ちなみにアルカリ電池の液漏れは放置すると粉上になります。
この粉はそこまでアルカリ度が強くないので危険性は低いです。
気づかずに放置したことで粉が床全体に散らばったり、空気中に舞ったりするのを子供やペットがいるから怖いと過剰に心配する人がいます。
しかし特に液漏れが乾いたあとの粉上の物質を少量を触った程度ではそこまで強い影響はないので必要以上に怖がることはありません。
日常で使う重曹とかもアルカリ性ですが、触っても問題ないですからね。
ところで電池に入ってるどんな成分が危険なのでしょうか。
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電池の液漏れの成分は?
電池が液漏れした時に出てくるのは「電解液」というものです。
電解液とは電気を通す溶液のことです。
電解液はアルカリ電池とマンガン電池で違います。
アルカリ電池の場合
アルカリ電池の電解液は「水酸化カリウム」です。
水酸化カリウムは強アルカリ性で皮膚を溶かします。
触るとヌルヌルし、放置すると皮膚がただれてきます。
また液漏れした水酸化カリウム(KOH)は空気中の酸素と結びついて炭酸カリウム(K2CO3)に化学変化しますが、こちらは水酸化カリウムよりもアルカリ度が弱くなります。
炭酸カリウムは触るとヌルヌルするので洗う必要はありますが、手で触った程度で皮膚に影響が出るほどのものではないのでそんなに心配いりません。
マンガン電池の場合
マンガン電池の電解液は「塩化亜鉛の水溶液」です。
塩化亜鉛は弱酸性です。
こちらは水酸化カリウムほど強い影響はありませんが、目に入ると傷がつく危険もあるため、もし目に入ったら大量の水で洗い流す処理が必要です。
液漏れした電池の状態は?
液漏れかどうかわからない人のために液漏れした電池の見分け方を紹介します。
- 機器に錆が生じてる
- 電池のコーティングがはがれている
- 電池の周りに白い結晶ができる
- 電池が膨張したように変形している
これらの症状が見られたら液漏れしている証拠です。
症状が見られたらその電池は捨てましょう。
白い粉は液漏れの証拠!?
白い粉は液漏れなのか、という話ですが液漏れです!
アルカリ電池が液漏れしたときに出る水酸化カリウムですが、潮解性という性質があります。
この性質により空気中に含まれる水分(H2O)を吸ってベトベトしてきます。
そしてこれがさらに空気中の二酸化炭素(CO2)を吸って炭酸カリウムに変化します。
炭酸カリウムに変化すると乾燥して白い粉状になります。
したがって電池から白い粉が出てたら液漏れしたという証拠です。
白い粉=炭酸カリウムは水酸化カリウムほど強くはないですがアルカリ性で触るとヌルヌルするので洗い流してください。
ちなみにですが重曹もアルカリ性なので触るとヌルヌルしますよね?
炭酸カリウムによるヌルヌルもそれ同じなので目にさえ入らなければそこまで神経質にビビる必要はありません。
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液漏れした電池の処理の仕方
電池を外す
液漏れした電池が機器に入ってる場合は外して捨てる必要があります。
ビニールやゴム手袋をして外して袋に入れて密閉し、ごみの日に捨てましょう。
しかし電解液でくっついてたり、電池が膨張してたりすると簡単に取れないかもしれません。
それを無理やり外そうとすると粉が飛び散って目に入る危険があります。
そのため、電池が外れにくい場合は必ず保護メガネを使って目を保護した状態で作業しましょう。
また外れにくいときはマイナスドライバーなどを使うといいでしょう。
機器や電池BOXを掃除する
次に液漏れした電解液がついた機器や電池BOXを掃除します。
液漏れした電解液は水に溶けるので濡らした付近やティッシュで拭き取ります。
また粉になったものもしっかり拭き取ってください。
このときもゴム手袋は着けて行いましょう。
電解液を除去した機器や電池ボックスはその後も普通に使えます。
電池の液漏れの原因は?
電池の液漏れの原因は
- 電池切れした電池を入れっぱなしにしている
- 消耗度の違う電池を使う
- 異なるメーカーの電池を一緒に使う
- プラスマイナスの向きを逆にして使う
- 使い切った電池を長期間放置
することです。
電池切れした電池を入れっぱなしにしている
過放電(機器を作動させることができる最低電圧以下の状態で放電すること)により、ガスが発生し、液漏れの原因になる。
消耗度の違う電池を使う
電池容量の少ない方の電池が過放電になり、残量のある電池のみが強制的に放電されることになる。
結果として過放電の電池内部でガスが急激に発生。
このガスが圧力に耐えきれずに放出されることで電池の液漏れが発生する。
異なるメーカーの電池を一緒に使う
異なるメーカーの電池を一緒に使うことも液漏れの原因になる。
メーカーによって電池の性能が違うため、過放電により片方の電池がもう片方の電池を充電するような形になり、ガスが発生して液漏れの原因になる。
プラスマイナスの向きを逆にして使う
電池を逆向きに入れると通常は電気が流れませんが、他の電池があるとその電池から逆向きに入れた電池に電気が充電されるような状態になります。
普通のアルカリ電池には充電する機能はないので内部にガスが発生して電池が膨張し、液漏れが発生することがあります。
使い切った電池を長期間放置
頻度はまれだけど消耗した電池は電流を流さなくても電池内のガスが漏れることがあり、それにより液漏れが発生することがある。
このような間違った電池の使い方をすると液漏れの原因になるので注意しましょう。
普通に使ってても液漏れすることはあるので注意!
特に間違った使い方をしていなくてもたまに液漏れすることがあります。
これは運みたいなものですね。
新品未開封なのに液漏れしてた事例も。
液漏れは基本消耗した電池に起きやすい事象ですがこれはあくまで傾向ってことですね。
どんな電池でも液漏れが起こることはあり、特にアルカリ電池は液漏れしやすいので注意しましょう。
電池の液漏れを防止するには?
では電池の液漏れを防止するにはどうすればいいのでしょうか。
長時間使用しない機器からは電池を抜いておく
液漏れのよくある事例が長期間電池を入れっぱなしにすること。
電池付きの機器でしばらく使わずにいたら液漏れしていた・・・。
このケースが非常に多いです。
電池はあまり使ってなくても少しずつ放電するので長期間放置するとどんな電池も液漏れが起こりえます。
子供のおもちゃなど使わなくなった機器からは電池を抜いておきましょう。
新旧電池を一生に入れて使用しない
次によくあるのがこのケース。
リモコンなど電池が2つ必要な場合に、ケチって片方だけの電池を交換する。
これ、やっちゃう人多いと思いますけど、完全に液漏れの原因になります。
電池を交換するときは必ず同時に全部交換しましょう。
変なドケチ精神は悲劇を招きます。(筆者も経験済み)
使用後の電池は絶縁しておく
使用後の電池は捨てるまで絶縁しておきましょう。
電極面にセロテープを貼るだけで簡単に絶縁できます。
特に電極面の面積が大きいボタン電池は絶縁せずに放置するとすぐに液漏れしてしまいます。
ボタン電池は特に絶縁処理を必ずやることを習慣づけるようにしましょう。
液漏れに強い電池を使う
液漏れに強い電池を使うことも対策になります。
液漏れに強い電池としては、液漏れ保証がついてるものがおすすめです。
- 富士通のPremium
- maxell ボルテージ
この2つは製造後10年液漏れ補償が付いてます。
使用推奨期限内で、警告・注意事項を遵守いただいて液もれした場合、電池交換、または機器を修理・交換いたします。
どんな電池も液漏れはしますが、液漏れ補償がついてるということは液漏れ対策をバッチリやってるということなので他社製品と比較して液漏れしにくいです。
まとめ
以上、電池の液漏れについて解説してきました。
復習すると
- 電池の液漏れの液は強アルカリ性の水酸化カリウムで肌がただれる、失明するなどの危険あり
- 水酸化カリウムは水に溶けるのでもし触ったら大量の水で洗い流せばOK
- 水酸化カリウムは放置すると空気中の水分や二酸化炭素と反応して白い粉状の炭酸カリウムになる
- 炭酸カリウムはアルカリ性がそこまで強くなく、重曹と同じように触るとヌルヌルする程度なので触ったら洗えばOK
- 液漏れした電池の処理はゴム手袋等で触らずに液を拭き取る
- 電池の液漏れの原因は消耗した電池の入れっぱなしや消耗度の違う電池を一緒に使うことで起きる過放電
- 液漏れ防止のために使わなくなった機器の電池は抜いておく
要点はこんな感じです。
電池の液漏れは危険なイメージでしたがやっぱり危険でしたね。
でも水に溶けるので洗い流せば基本は大丈夫。
適切に処理しましょう。
また私もやっちゃってましたが、消耗度の違う電池やメーカーの違う電池を一緒に使うと液漏れの原因になるので気を付けましょうね。
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